坂道では自転車を降りて
「ねぇ、多恵。」
「ん?」
「こっち来て。」
弾む躯を抱き締める。彼女は戸惑いながらも身をゆだねて来た。
「来週、もう一度、ここに来て。」
頬に唇に、何度も口づけながら言う。
「わかった。」
「多恵が嫌がる事はしないから。ね。」
「。。。。」
彼女は苦笑いした。信用してないな。まあ、仕方ないけどな。。
細い肩を掌で包み、身体をなで回しながら、何度も口づけた。柔らかいはずの太ももは、今日は硬いジーンズに守られている。この城壁には、手も足も出ない。それでも、その曲線は手を這わせれば十分に刺激的だし、硬い生地の下には、熱い弾力を感じた。
「出来れば、次はスカートで来て欲しいな。」
恥ずかしくて照れ笑いしながら言うと、彼女も笑った。
「神井くんて、実は結構スケベだよね。」
「男はみんなスケベだよ。好きな女の子に対してはね。」
「そういう言い方、ズルいと思う。」
「スケベな男は嫌い?」
「嫌い。」
即答された。一瞬、言葉に詰まる。
「でも、神井くんなら許せる。かな。」