坂道では自転車を降りて
「だったら、家で問題を解いたりは?」
「なかった。」
「でも確か冬休みには勉強するって。。」
「うーん。結局、何していいか分からなくて、しなかった。」
「それで、あの成績?」
2年の成績だって、俺よりは良かったはずだ。
「だから最近落ちて来たのかも。。」
「だな。。」
「どうしたらいいかな?」
「とりあえず、勉強したら?その買った問題集で。」
「うん。でも難しくてなかなか進まないんだよね。」
いや、それくらい出来ないとまずいだろ。
「解らなかったら、俺に聞いて。一緒にやろう。」
「いや、出来ない訳じゃないんだけど、、時間がかかってしんどい。。」
たいして勉強してないウチから、彼女はもうダラケ気味で、俺の本棚の本を眺め始めた。これで、大丈夫なのか?
「大野さん。もう少しがんばりませんか?」
「うーん。がんばったら、なんかご褒美くれる??」
彼女は俺の膝に手をかけて、顔を近づけて来た。うーん。こういう展開、逆バージョンでは何度も夢想したんだけど、まさか彼女の方がそんな事を言いだすとは思っていなかった。
「大野さん。勉強は自分の為にするんだよ。」
俺の夢想の中で彼女が言った台詞を俺が言ってる。変な感じだ。この後はどんな展開だったかな。ドキドキしながら彼女の出方を待ったが、残念なことに何も起こらなかった。