坂道では自転車を降りて
「多恵、降りて。」
「あ、はい。」
坂道で自転車が止まったのに、いつまでも降りない彼女に声をかける。どうしたんだろう。ぼーっとしている。
「そんなに具合悪いの?歩ける?そのまま乗ってる?」
「大丈夫。ごめん。なんか眠いだけ。」
彼女は自転車を降り、目を閉じたまま荷台に捉まって歩き出した。次にこんなことがあったら電車にしよう。彼女を荷台に載せて坂を押して上がれるか、ちょっと自信がない。
「貧血?」
「。。。。。。わからない。眠い。」
「大丈夫?」
「。。うん。」
反応が悪い。今日はもう話さないほうが良さそうだ。
坂の終わりに来た。彼女を乗せる前に、少しだけ頬に触れる。彼女は目を閉じてじっとしていた。拒んでるわけじゃない。でも。。。抱き寄せようと頚に手を回すと、さりげなく逃げた。
「多恵。大丈夫?」
「ん。ねむい。」
目を伏せたまま応える。
「そっか。」
さっきから一度も視線が合わない。本当に眠いのかな。目を合わせたくないだけなんじゃ。
「多恵?」
「ん?」
「俺の顔見て。」
「うん。」
「あ、はい。」
坂道で自転車が止まったのに、いつまでも降りない彼女に声をかける。どうしたんだろう。ぼーっとしている。
「そんなに具合悪いの?歩ける?そのまま乗ってる?」
「大丈夫。ごめん。なんか眠いだけ。」
彼女は自転車を降り、目を閉じたまま荷台に捉まって歩き出した。次にこんなことがあったら電車にしよう。彼女を荷台に載せて坂を押して上がれるか、ちょっと自信がない。
「貧血?」
「。。。。。。わからない。眠い。」
「大丈夫?」
「。。うん。」
反応が悪い。今日はもう話さないほうが良さそうだ。
坂の終わりに来た。彼女を乗せる前に、少しだけ頬に触れる。彼女は目を閉じてじっとしていた。拒んでるわけじゃない。でも。。。抱き寄せようと頚に手を回すと、さりげなく逃げた。
「多恵。大丈夫?」
「ん。ねむい。」
目を伏せたまま応える。
「そっか。」
さっきから一度も視線が合わない。本当に眠いのかな。目を合わせたくないだけなんじゃ。
「多恵?」
「ん?」
「俺の顔見て。」
「うん。」