坂道では自転車を降りて
「そんな曖昧な言い方じゃ、分からないよ。はっきり言ってくれないか。」
「その。。乱暴?されそうになったみたいで。」
「。。。。。誰が?誰に?」
「大野先輩が、今西にです。」
「乱暴って、どの程度?」
神井先輩は俺の話をあまり信じていない様子だった。
「今西を締め上げた沼田先輩の話なんですが、今西は先輩の写真を撮ろうとしてたらしいんです。で、どうやったのか知らないけど、部室に連れて来て実際に撮ってました。」
「は?」
あまりの話に理解が追いついてないのか。怪訝な顔をしている。
「先輩は断って、帰ろうとしたらしいんですけど、」
「ちょっ、ちょっと待て。」
「はい。」
「また多恵の写真をとってたのね。」
「またっていうか、俺じゃありません。」
「誰が撮ってたの?」
「今西です。」
「お前は?」
「そこに関しては無関係です。」
「一緒にいたんじゃないの?」
「今西と先輩だけでした。」
「沼田は?」
「俺と一緒に部室へ行きました。」