坂道では自転車を降りて
 確かにそうだ。だったら先輩はどうして、彼女をわざと泣かせるようなことをしたのだろう。
「俺だけじゃないって、言ってたな。誰の事だと思う?」
「そんなの知るかよ。さっさとくっついちゃえばよかったのに。その方が俺だってずっと楽だった。」
「結局、自分かよ。」
「お前、言う事いちいち正論で、うぜぇよ。」
「悪かったな。」

「川村って彼女とかいるの?」
「あー、、いるような、いないような、最近、どれも違う気がするんだよね。」
「なんだよそれ。」
どれもって、、何人いるんだ。この前の女の子は彼女じゃないのか?
「なんか、何をしても面白くないというか、面倒くさいというか。いっそ一旦全部切るかな。」
「そりゃ、お盛んなことで。」
「神井は童貞だろ?彼女いない歴16年って感じだよな。」
「なっ。悪いかよ。」
「いいんじゃね。早く捨てたってあんま意味ないぜ。」
「経験豊富な方は言う事が違いますね。」
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