坂道では自転車を降りて
「俺、先輩と大野さんには、変わってほしくなかった。女みたいな大野さんなんて見たくない。」
「彼女はもともと女の子だ。それに、お前さっきは、面倒だからさっさとくっつけばよかったのにって、言ってたぞ。」
「うるさいな。どっちも本心なんだよ。あーあ。もう。」
川村は空を仰いでため息をついた。
「二人、これからどうすんのかな。」
まだ納得が行かない様子だ。俺に同意して欲しいのだろうが、俺は川村ほど彼らの事を知らない。
「さあな。二人の決める事だ。」
俺には関係ない。はずだ。
「お前、ほんとにうざいな。」
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