坂道では自転車を降りて
「どうして、急に来られなくなったの?」
「帰り、うっかり乗り越しちゃったら、行くのが面倒になっちゃって。」
「そんな理由じゃあ、納得いかないよ。君だってそう思うだろ?」
「そうかな。」
「友達に戻ろうっていうのも。。。まるっきり、訳が分からない。」
「それは、ごめん。」
「どうしてなのか、教えてくれないの?」
「全部、話したら、私の言う通りにしてくれる?二度と会わないって約束する?」
「会わないって誰と?」
「私と。」
そんな約束は出来っこない。
「だったら、何も聞かなかったら、このままずっと一緒にいてくれるの?傍にいてくれるの?」
「それも無理かもしれない。」
「だったら、俺はどうしたらいいんだよ。」
「。。。忘れちゃったらいいんじゃない?」
声が震えていた。
「何を?」
「私の事なんか忘れて、勉強したら?勉強して、大学行って、可愛い彼女を作ればいいじゃん。」
「昨日からそればっかりだな。そんなに俺と別れたいの?」
「うん。」
即答された。目眩がする。なんだよそれは。