坂道では自転車を降りて
「本気?」
「本気。私も勉強するし。」
俺は彼女の横顔をまじまじと見た。彼女の顔にはいつもの作り笑いが張り付いてる。何を考えているのか、全然分からなくて、バカにされてるみたいでイライラする。どうして、一昨日電車であったことを俺に話してくれないの?俺にしがみついて泣いてくれないの?冷たくあしらった俺を詰ってくれないの?どうして、何もかも俺に隠すの?
「俺の気持ちはどうなるの?」
「もういらないんだもん。」
ドスッっと俺の胸に刃物が刺さる音が聞こえたような気がした。
「それは。。」
それ以上言葉が出なかった。頭から血が引いて行く。目の前が暗くなって、目眩がした。
まだだ、彼女はまだ何も話してくれていない。まだ戦えるはずだ。立ち上がれ。そんなの信じるな。絶対、本心じゃない。歯を食いしばってなんとか顔を上げる。だが、頭が朦朧としてしまい、何を言えば良いのかわからない。
「ごめんね。でも、もうどうしたらいいかわからないの。」
彼女は俯いて、申し訳なさそうな顔で言った。
「だからっ。」
一緒に考えようって言ってるじゃないか。その為に、話してくれよ。俺に!全部!