坂道では自転車を降りて
「あの、多、大野さんは何て言ってるんですか?」
「遅刻して来て、途中、気分が悪くなったからさっさと帰ったと。」
「うーん。」
「本当は何をしていたのか、お前は聞いてるか?」
「俺も、よく知りません。海に、、いたらしいです。」
「そうか。。その後はちゃんと来ているようだし、とくにトラブルもなかったようだから、まあ今回は多めに見てやるけど。最近のあいつは、どうも危なっかしい。」
「はぁ。。」
「入学考査の時の彼女の成績は、」
「。。。。。」
「いわゆる最上位だ。内申も抜群に良くてな。入試もほぼ満点だった。」
そうだろうなとは思っていたけど、やっぱりすげー賢いんだな。ってか、ウチの高校で最上位なら東大が狙えるレベルってことだ。
「だが、今は、、本当はお前に教えちゃダメなんだけど。」
「いえ、2年の学年末のは聞いてます。。。」
俺よりマシだったというレベルで、とても最上位にいた人の成績ではなかった。
「2年の学年末も酷かったらしいが、この前の期末考査で、もう話にならん点をとって、職員会議にかかったんだ。何か事情があるとしても、このままだと学年で真ん中より下どころか、下から何番目まで落ちる可能性もある。」
「げっ。」