坂道では自転車を降りて
「多恵、かわいそうに。」
清水先輩が言う。
「何もかも、鈴木がいけないのよ。多恵をこんな目に遭わせて。」
「。。鈴木先輩が何かしたんですか?」
清水先輩は、もしや夕べのことを言っているのだろうか?
「多恵ね、間違えてお酒飲んじゃったの。」
「え、だって、酒なんて出ないじゃないですか。俺たち全員高校生ですよ。」
「混じってたの。絶対わざとよ。誰かが多恵にお酒をわざと飲ませたんだわ。」
「。。。。。」
「私だって多恵ともっと話したかったし、多恵だって、皆と楽しむはずだったのに。」
それで、今は帰らない方がいいのか。それにしても誰が。

「あいつらの誰かに決まってるわ。」
清水先輩は鈴木先輩の周りに集まっている女子達を睨みつけて言った。
「鈴木がちゃんと守らないから!多恵がこんな目に遭うんじゃないっ。鼻の下のばしちゃって、気持ち悪い。」
なんか、この先輩もちょっと危ないぞ。そうしてる間に川村が戻って来た。
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