坂道では自転車を降りて
「神井くん。好き。大好き。」
耐えきれないといった声で彼女が言う。
「多恵。可愛いよ。なんでこんなに可愛いんだろ。」
「本当に?」
彼女はまた泣きそうな顔になる。
「本当だよ。食べちゃいたいくらいだ。」
「ぅん。」
小さな声で頷いた。息が乱れて、泣いてるみたいに見える。俺もなんだかすごく嬉しい。
「私もこうしてると、すごく気持ちいい。もっともっと近づけたらいいのに。ずっと一緒にいたい。朝も昼も夜も。ずぅーっと。私の事を箱にしまって一日持ち歩いて欲しい。いっそ神井くんに食べられちゃって、ひとつになってしまいたい。」
食べられてひとつにって、そっ、それは、ガッタイしたいってことか?あまりの台詞に一瞬、俺の魂が幽体離脱した。
びっくりして彼女の様子を伺うと、切なげにすんすん言いながら俺の首筋に頬を擦り付けている。思った事をそのまま口にしただけで、今の台詞に、深い意味はなさそうだった。これだから彼女は!
「はぁ。。」
また色っぽいため息を漏らしながら、俺の首に抱きつく。やばいよ、多恵。卒業まで我慢する約束なんだから、あまり挑発しないで。
「た、、多恵。」
「うん♡」
今なら、何をしても許される気がする。俺はおもむろに彼女のシャツをめくって、柔らかな膨らみに口づけながら、躯中を撫で回した。彼女はブルブルと震えて声を上げて悶えた。あちこち責められて躯中の力が抜けた彼女をベッドに横たえ、ショートパンツのボタンを外すと、彼女が気付いて、俺の手を掴んだ。