坂道では自転車を降りて
「恥ずかしいよ。」
彼女が赤い顔で抗議する。
「いいじゃん。触りたいんだ。」
構わずチャックを下げる。手を奥に差し込み、熱い部分に滑り込ませる。
「でも。。んっ。やぁっ。」
だって、もうこんなに濡れてるじゃないか。
「嫌?」
もう彼女は答えられないことを知ってるのに、聞いてみる。彼女は悲鳴をあげながら、首を振った。
「少しじゃなくて、たくさん可愛がってあげる。好きなだけ暴れて、声あげて良いよ。今日は誰もいないから。」
窓の外には夏の終わりの入道雲。幼い日、ふと見上げた時には、地球が回っている音が聞こえるような気がしたっけ。冷房の効いた密室は妙に静かで、蝉の声も、子供の遊ぶ声も、地球の回る音も聞こえない。この部屋全体が、どこか遠くの異世界へ向かうエレベーターような気がして来る。密室は秘密の空間。君の声も俺の息づかいも、室内に反響しながら、流れるように消えて行く。