坂道では自転車を降りて
終演後、昼を過ぎていたので駅前で3人でバーガーショップに寄った。どういうわけか原が俺の隣に座り、彼女が正面に座った。なんか微妙に変な感じだが、彼女と隣に座るのもどうも照れくさいから、これで良しとしよう。
「久しぶりだな。ってか、活動以外で大野さんと話すの俺初めてかも。」
「そうだね。私も記憶にないな。」
「邪魔して悪かったね。」
「この場合、私の方が邪魔なんじゃないの?2人は久しぶりなんでしょ?私は良かったのに。」
「別に久しぶりじゃないよ。クラス隣だし、日本史一緒に受けてるし。頻度なら大野さんに負けてないよ。」
確かに顔は見てるけど、去年のように2人で何かをすることはなくなった。俺的には久しぶりだ。今日の原はまた何か企んでいる感がある。ここに来ることになった時も、遠慮して帰ろうとした彼女を原が引き止めた。
「なんか、大野さんすごく感じが変わったね。話しやすくなった。」
「そう?」
「今日だってそうだよ。以前だったらこんな所、誘っても来なかったじゃん。やっぱり神井効果?」
「さぁ。どうだろう。」
彼女は俺を見て頬を染めた。
「なんか、妬けちゃうね。」
言われると彼女はますます頬を赤くして俯いた。