坂道では自転車を降りて
「あー。。」
「嫌だった?怖い?」
「いや、えーっと。」
嫌ではない。断じて。でも。。
「して欲しい。。。かも。」
うわ。耳が熱くなってきた。絶対、赤くなってる。
「良かった。」
彼女はにっこり笑った。
彼女が俺のベッドの上で正座して、俺の方をみた。俺はベッドに手をついて彼女のとなりに乗り込む。絶対、俺の鼻の下伸びてる。普通の顔がしたいけど、どうやってもニヤけた顔が押さえられていないような気がする。身体を横たえ、彼女の膝に頭をのせると、下にした耳にスカートの生地の下の柔らかくて弾力のある太腿が感じられる。静かに息づくこの枕は生きている。何度か乗せ直して乗せやすい位置を捜していると、彼女が俺の耳を優しく引っ張った。
「この向きじゃないと、耳の中が見えない。」
声が耳元で聞こえて、甘い吐息が頬にかかってくすぐったい。柔らかい腹が俺の頭を包んで、至近距離に彼女のおっぱいが。。やばい。頭がクラクラする。
「じゃあ、お願いします。」
「あ、ティッシュが要るわ。」
「あー、とるとる。」
あわてて立ち上がり、机上からティッシュの箱をとってきて、彼女の隣に置いた。
もう一回、彼女の膝に頭を乗せる。あー。なんだって彼女はこんなへんな事を思いつくんだろう。てか。ここでもし、万が一、母さんとか入ってきたら、恥ずかしすぎるぞ。胸をドキドキさせながら神妙な顔で彼女が耳を掃除してくれるのを待つ。
温かな指が俺の耳を引っ張る。あっ、耳を引っ張られるのって、結構気持ちいい。思わずへんな声があがりそうになる。