坂道では自転車を降りて

「急がなくて良いよ。俺は、別に用無いから。」
「早く帰って寝たい。でも、またバスに乗るのか。」
「もう少し休んだら？」
まだ、辛そうだし。言いながら、少し違う感情があることも自分で分かっていた。辛そうな顔をした彼女がなんだかとても色っぽくて、もう少し見ていたい気がしたのだ。俺はオレンジジュースを開けて飲んだ。

「ごめん。夏はダメなんだ。貧血気味になるし、冷房で脚が冷えると、腹痛がひどくなって。女って面倒。あぅー。」
「大変そうだな。毎月あるんだろ？」
テストなのに、気の毒だな。
「いつもはこんなじゃないんだけど、もともとの体調がイマイチで。いいな。神井くんは男の子で。私、男に生まれたかったなぁ。。」
「男は男で、いろいろ大変だよ。女の方がお得な事は多いと思うけどな。」

「あぁもう、、お腹痛ぁいっ。くっそーっ。こんなの無くていいのに。」
彼女はお腹を押さえて脚をバタバタさせた。
「そんなに痛いの？大丈夫？」
くっそーって、、口悪いな。。