吸血鬼と狼男と悪魔のこどもたち
「その決断、嬉しいです。
行き先は歩きながら説明します。」
こいつは、きっといいやつなのだろう。
同情で俺を救い、一緒に行動するなど
普通じゃできない。
「さあ、行きましょう。」
「はい……」
生まれ育った場所をこんなにも早く
出て行くことになるとは……
名残惜しいのを隠し、前だけを向き、歩く。
これから先、辛いことがあったら
母さんや、この場所を思い出そう。
そのために、しっかりめに焼き付ける。