吸血鬼と狼男と悪魔のこどもたち
「ここは、唯一バリアが
届かない場所なんですよ。
とりあえず、乗ってください。」
「おう!!わかった
…あのさ、最期に
ここにお別れさせてくれっ!!」
顔の前で手を合わせ、
真剣にお願いしてくる、スカイ。
時間はないけど……。
「いいですよ。」
できるだけ、笑顔で言った。
ここへ来るのは、もうないのだから。
「………。」
スカイは、心の中で
呪文のように別れを告げているのだろう。
目を閉じ、拳を握りしめる。
そのたくましい姿は、
さっき初めてあった時とは違う
何かを感じた。
「そろそろ、行きましょう。
スカイ。」
声をかけたが返事はない。
ふとスカイを見ると、
涙を流していた。
「ありがとう。さようなら。」
その一言を残し、スカイは
先ほどまでと同じ
無邪気な笑顔に戻っていた。