吸血鬼と狼男と悪魔のこどもたち
けど、所詮、生気を奪われただけだ。
死ぬわけではない。
むしろ、幸運なんだ。
死神に悪魔は勝てない。
戦闘になんなくて良かったんだ…!!
「………ウッ……ヒック………!!」
けど、悔しくてその場に立ち尽くした。
先ほどのことを考えると目尻が熱くなる。
悪魔はいつでも孤独。
仲間を作ることができないから。
それでも…。
「バルク……!!」
愛しの人に会いたくて。
助けて欲しくて。
絞りだすような声は、
誰かに聞こえたのだろうか。
「呼んだ??」
懐かしい声がした。
たった今、会いたくて
愛しくて呼んだ名前の人物。
『バルク』だ。
「バルク………!!」
先ほどとは違う、
希望に満ちた声。
やっと、会えた。