【完】恋の授業を始めます。
【今宵side】
コンビニ弁当を買い、家に帰ろうとした時、後ろから誰かに呼び止められた。
「ねぇ、高槻今宵ちゃん…だっけ?」
振り返ると、そこには見たことのある人が立っていた。
「あなたは…鈴木花音さん…ですよね。」
私の後ろには、人気モデルの鈴木花音が立っていた。
「えぇ。今の業界じゃ、私を知ってる人はいないから。」
何だそのドヤ顔は。
「今時間あるかしら、今宵ちゃん。」
いきなり呼び捨てにちゃん付け……。
「構いませんよ。」
丁度良い機会だな。私も安曇君の元カノさんと話してみたかったし。
「そこに公園あるから、話さない?」
「はい。」
私と花音さんは、近くの公園に移動した。
「単刀直入に言うけど、今宵ちゃんって賢人とつき合ってるの?」
賢人……。花音さんはそう呼んでるんだ。
そしておそらく、安曇君も……。
そう考えると、胸が少し痛んだ。
「つき合ってないです。」
「そう。でもあなた、毎日賢人と帰ってるわよね。」
何で花音さんはそれを知ってるんだ?
「私、この前見ちゃったの。楽しそうにね。」
花音さんは笑ってたけど、目は笑ってなかった。
「そうですけど、それが何か?」
「あれ…辞めて欲しいの。」
「は?」