【完】恋の授業を始めます。
「いいよ、高槻さんにあげる。」
「でも……「いいから。俺、やっぱメロンパンで。」
メロンパンを取って、俺は購買を後にした。
「ヤベ、会ったら会ったでちょっとテンパる。」
俺の顔は既に真っ赤。
昨日の今日で顔合わせづらい。
「ガチなんかなぁ、コレ。」
高槻さんに本気になってんのかな。
「遅ぇな、朔夜。」
今度声がしたのは、賢人の声。
「購買に何分かかってんだよ。」
「悪ぃ悪ぃ。混んでたからさ。」
わっぱり、賢人も高槻さんのこと好きなのか?
「なぁ、賢人。」
「ん?」
いやここで言ったら、後から面倒くさくなるな。
「いや、やっぱいい。」
「何だそれ、変な奴ー。」
俺のこの恋が遊びか本気か、まだ分かったもんじゃないからな。