【完】恋の授業を始めます。
ーーーーーー……………数日後
「…あの、暁君。」
帰りの玄関で俺は偶然にも高槻さんとバッタリ会った。
「おぉ、高槻さん。今帰り?」
「ちょっと……話したいことがあって。」
話?高槻さんから誘って来るのは珍しいな。
「いいよ。前の公園でいい?」
そう言うと、高槻さんはコクリと頷いてくれた。
一緒に帰るのって、鈴木のこと教えた日以来だな。
公園に着いてベンチに座った。
「あのね。前……花音さんに会ったの。」
うわっ。座って30秒でいきなり話し出した。
「え⁉︎鈴木に⁉︎」
「うん……。」
「うわ〜。ガチか〜。」
「それで、もう賢人に近づくなって言われた。」
「はぁ⁉︎何あいつ‼︎離れたのあっちなのに!」
さすがの俺にもこれにはびっくり!
まさか高槻さんにも手出すとは。
「賢人の心は掴めないとか、諦めてとか………あぁ‼︎今思い出しただけで腹立つ!」
すげぇこんな高槻さん見たことない。
何か居酒屋で酔っ払ったOLみたい。
俺は苦笑いを浮かべながら、高槻さんの話を聞いていた。
「でも、諦めたくないんだよね。」
だんだん声と顔が寂しくなって来てる。
「俺さ…結構女の子と遊んでんの。」
いきなり関係無い話に、高槻さんはポカーンとした顔をしてる。
「……え?」
「高槻さんみたいな本気の恋とかしたことなかったんだ。」
「え!暁君、恋愛経験豊富そうなのに…。」
「まぁたまに恋愛相談されるけど。恋愛とかしたことない俺には、何の良いアドバイスも出来ないから。」
「……………」