【完】恋の授業を始めます。
「・・・私が開ける。」
「・・・おう。」
顔を真っ青にして、震える手を抑えながら、ゆっくり開ける。
「今宵、遅いじゃないか。」
「・・・申し訳ございません、お父様。」
お父様?何で敬語?
なんか、厳しそうな人だな。
でもこの人・・・テレビで見たことあるな。
「・・・隣にいるのは?」
強い目つきで俺を見る高槻のお父さん。
「あ、初めまして。高槻さんの友達の安曇賢人といいます。」
「・・・ふぅん。それよりこんな時間までどこをほっつき歩いてた。」
「ふぅん」って、それだけ?
ってか、急に怖い顔し始めたな。
「実は、朝誰かに襲われて、安曇君が助けてくれたんです。」
高槻の話を聞くと、はぁっと息を吐いたお父さん。
「まったく、そんな風に油断して、そんなんだから襲われるんだぞ。」