【完】恋の授業を始めます。



「お父様には逆らえない。喋る時はほぼ敬語。テストはいつも1位をキープしろと教われてきた。少しでも点数を下げたら、『大手企業の恥さらし』って言われる。」


「大手企業・・・?」


「安曇君も知ってるでしょ?高槻財閥。お父様はその会社の社長。高槻孝之助(たかつきこうのすけ)。」



高槻財閥って、俺でも知ってる。



家具や日常品や化粧品などたくさんの品を経営する日本1の会社。



その社長・高槻孝之助はたくさんのテレビに出てる有名な人。



「お前、母親は?見かけないけど・・・」



すると高槻は、俺に1枚の写真を差し出した。



「これは・・・」



「私のお母さん。子供のころ、病気で死んでしまったけど・・・」



「・・・!!」




「お母さんが死んでから、お父様は人格が変わった。前は優しかったのに、いきなり性格が変わってしまったの。」



高槻は、それをずっと堪えてたのか。



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