【完】恋の授業を始めます。
「ふふ〜ん♪」
鼻歌交じりで図書室で本を探してると、後ろから声がした。
「機嫌良いね、高槻さん♪」
「わっ!」
振り返ると、そこには暁君がいた。
「暁…君…?」
「良いことでもあったの?」
「うん、まぁね。」
「それって……賢人のこと?」
「うーん、それもあるけど……」
やっぱり1番はお父さんのことかな。
「まだ諦めらんない?」
「え?」
暁君の顔が急に真剣になった。
「俺、好きな子に告ろうと思う。」
「ほんと⁉︎」
遂に告るんだ。頑張れ、暁君!
「俺、好きなんだ。」
「ん?」
練習…かな?
「分からない?俺が好きなのは、高槻さんなんだけど。」
「え?…………えぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎」
図書室中に響く私の声。生憎、人は居なかったから良かった。
「俺なら、高槻さんを泣かせない自信あるよ。」
暁君の顔は、本気だった。
「……暁、君?」