【完】恋の授業を始めます。
「ど、どうして?」
「俺は・・・高槻が好きだから。」
俺が真剣にそう言うと、花音は目を見開いた。
「お前のことは好きだったよ。初恋だった。でも、お前が二股してるのを聞いてすげぇ傷ついた。もう恋なんかしない。そう思ってたのに、あいつがそれを変えた。」
「でも、あの人は朔夜にも色目使ってたのよ!そんな子、男を誑かしてるに違いないわ!」
「高槻はそんな奴じゃない!」
花音に思いっきり叫んだ後、俺は、話を続けた。
「確かに、あいつは恋愛に対してすげぇ疎いし、何考えてるのか分からないとこはある「それなら!」「でも!」
花音が俺の言葉を遮った後、俺も花音の言葉を遮った。
静かな公園に俺と花音の声が響く。
「でもそれでも俺は・・・自分のことより他の奴を気遣ってるとことか、笑った顔とか、照れた顔とか、怒った顔とか、泣いた顔とかが可愛いあいつが好きなんだ。」
言い終えると、花音はゆっくりと口を開いた。