【完】恋の授業を始めます。
「・・・変わったね、賢人。」
「え?」
今度は花音が寂しそうな顔をして言った。
「私ね、あの時は別に賢人が嫌いだった訳じゃないよ。でも、賢人モテるから他の子と話してるの見て嫉妬しちゃって・・・。女の子とか朔夜とかと一緒にいて、私・・・捨てられたのかなって・・・」
「・・・!」
知らなかった。付き合ってた時にはもう花音はモデルをしてたから、疲れてるのかと思って邪魔しちゃ悪いからそっとしとこうと思ってたけど、それが逆に、花音を苦しめていたなんて・・・
「嫌いじゃなかったよ。でも、花音のことは大事にしたいって・・・あの時は本当にそう思っていたから。」
「私も、変な嫉妬して・・・馬鹿みたいだよね。」
花音の目からポロポロと流れる涙。
俺はその時、初めて花音が泣いてる姿を見た。