【完】恋の授業を始めます。
今宵の顔は、驚いたように、キョトンとしていた。
やべ、俺、変なこと言ったかな?
「うん。一緒にご飯食べたり、話したり、結構楽しいよ。」
それを聞くと、俺の顔にも自然と、笑みが浮かんだ。
「そっか、良かった。」
すると今宵はいきなり、ボーっとしてしまった。
「どうした?ボーっとして。」
俺が話しかけると、我に返ったように、再び話し始めた。
「何でもない。こうしてお父さんとまた仲良く慣れたの、安曇君のおかげだよ。ありがとう。」
そう言って、にっこり笑う今宵。
あぁ、もう。
そういう可愛い顔で笑わないで。
俺は小さい声で、俺が今思ってることを呟いた。
賢人って呼んで・・・と。
「・・・で」