【完】恋の授業を始めます。
「うん、大事にする。ちゃんと。」
私が賢人君を守る。
それが、私のすべきことなんだ。
「じゃぁ、俺は先に行く。お前も遅刻せずに行くんだぞ。」
「うん。」
「じゃぁ、行ってくる。」
「いってらっしゃい。」
玄関でお父さんを見送った後、自分の部屋に行って、支度をした。
クラスに入ると、恵奈がいきなり、私の所へ駆け寄って来た。
「恵奈、どうしたの?」
「今宵、ごめん!」
いきなり頭を下げて、謝る恵奈。
「・・・え?」
「私、安曇君の元カノが花音ちゃんだって知らなくて、朔夜から聞いたんだけど、花音ちゃんにいろいろ吹き込まれたり、身勝手なメール送ったりして、本当にごめん!」
それで謝ってきたの?
「いいよ、謝らなくて。知らなかったんだから、責めるようなことしないもん。わざわざ謝ってくれて、ありがとう。」
恵奈が落ち着くよう、にっこり笑ってそう言った。
「今宵・・・。ありがどぉぉぉぉ!」
いきなり号泣し始める、恵奈。
「恵奈、落ち着いて!」
ありがとう、恵奈。
大好きだよ。
その後は、休み時間に普通に恵奈とお喋りをした。
その日から、周りの目が変わり始めてることに、私は気づいていなかった。
「なぁ、高槻って、何か結構可愛くね?」
「あぁ、クールビューティーって感じだったけど、一気に笑うようになったよな。」
「何か、可愛いよな。」