【完】恋の授業を始めます。


__________……………放課後


放課後は図書室賢人君と約束していたテスト勉強をするため、私は図書室に向かっていた。


図書室の扉を開け、中に入る。


人は誰も居なくて、ただシンとしていた。


放課後って、あまり図書室使う人、人いないんだよね。


図書委員は休み時間しか活動してないし。


私は椅子に座り、教材を開いて、賢人君が来るのを待った。


数分くらい経ってから、図書室の扉が開く音がした。


「あれ?今宵もう来てたんだ。」


現れたのは、やはり賢人君だった。


「うん、ちょっと早く来すぎちゃった。」


「そか。じゃぁ、早速始めるか。」


「うん。」


最初は賢人君の苦手な数学から始めた。


少し教えただけで、コツを掴んだ賢人君はどんどん問題を解いていく。


集中力良いな。


数学の勉強が終わって世界史の勉強をしようとした時、賢人君が私の手を掴んで来た。


「どうしたの?」

「ちょっと休憩しない?」


時計を見れば、一時間も時間が経っていた。


「そうだね、ちょっと休憩しよっか。」


そう言うと、賢人君はグイッと強く、私の腕を引っ張った。


「きゃっ!」


気がつけば私は、賢人君に抱き締められていた。


強く私を抱き締める賢人君。


一気に顔が熱くなる。


「ちょ、ちょっと!」


「何?」


何じゃなくて!


「休憩するんじゃなかったの?」


「してるじゃん。」


どこが!!


「充電してんの。今宵で。」


充電って、携帯じゃないんだから。


「もう、良いでしょ?」


「まだだめ。」


「きゃっ!」


今度は私を抱き上げ、机の上に下ろした。


賢人君の顔がすぐ近くにあって、恥ずかしくなる。


「今宵。」


名前を呼ばれて、反応して顔を上げてしまう。


「何?」


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