【完】恋の授業を始めます。
勉強が終わった後、いつものように一緒に帰った。
「今日はごめん。」
「・・・え?」
「ほんとはさ、抱きしめるだけで終わりにしようって思った。でも、今宵が俺のシャツ掴んでんのが可愛いすぎて、我慢出来なくなって、キスまでしちまって・・・」
あの時は強く抱き締められてたから、苦しくて、賢人君のシャツを掴んだだけなのに。
か、可愛いって思われてたなんて・・・
「いいよ。苦しかったけど、嫌じゃなかったから。」
「本当に?」
心配そうに首を傾げて私を見つめる賢人君を見て、心臓が大きな音を立てる。
「好きな人とキスするのに、嫌なんて人いないでしょ。」
真っ赤な顔をしながら、私はそう答えた。
家の前まで来ると、賢人君は急に足を止めた。
「今宵。」
名前を呼ばれて、私は驚いて声が裏返ってしまった。
「ひゃい!」
あぁぁぁぁぁぁ!恥ずかしい!!!
穴があったら、入りたい!(←落ち着け)
賢人君はフッと笑うと、私の近くまで来て、耳元で優しい声で囁いた。
「大好きだよ。」
一気に顔が赤くなる。
な、何それ、ズルイよ。
「賢人君、しゃがんで?」
身長の高い賢人君にしゃがんでとお願いした。
賢人君は不思議そうな顔をしながら、しゃがんでくれた。
「何?」
ちゅ
賢人君は質問してきたけど、私は答えず、賢人君の唇に軽くキスをした。
「なっ!//////////」
賢人君の顔は、真っ赤になっていた。
「へへっ、お返し。」
「何それ?」
あれ?怒っちゃったかな?
「・・・可愛いすぎ。」
手で口元を隠しそう言った賢人君に、私は思わず可愛いと思ってしまった。
可愛いのは、賢人君の方だよ。
「じゃぁ、また明日。」
「うん、また明日。」
賢人君は手を振ると、そのまま歩いて行ってしまった。
私は熱くなってる耳元を触った。
『大好きだよ。』
さっき言われた言葉が頭から消えない。
私だって、大好きだよ。