【完】恋の授業を始めます。
ただでさえ、理性保ってるっていうのに。
「・・・ほんと止めて。」
俺は小さな声で呟いた。
「・・・え?」
今宵の耳には届いてなく、首を傾げて俺の方を見ていた。
すると、昼休み終了のチャイムが鳴った。
「何でもない。教室戻ろう。授業始まる。」
俺は椅子から立ち、自分の教室を出ようと思ったら、一つ大事なことを思い出し、今宵に伝えた。
「今宵、今度の日曜、暇?」
いきなり話しかけられて驚いたのか、今宵は目を見開いていた。
「・・・え?」
「もし用が無いなら、デートしない?」
それを聞いた今宵の顔は、真っ赤になっていた。
「用事なら、ないよ。」
「じゃぁ、日曜の午前十時半に駅前来て。」
「・・・分かった。」
俯きながらそう返事をする今宵。
「楽しみしてる。」
俺はそう言って、空き教室を出た。