【完】恋の授業を始めます。
体育館に戻ると、恵奈が急ぎ足で私のところへ駆け寄って来た。
「今宵!大丈夫!?」
「うん、大丈夫。ごめんね、心配かけて。」
そう言うと、恵奈はホッと胸を撫で下ろして、ニッコリ笑った。
「良かったぁぁ~。あ、あの女子達には私からガツンと言っといたから安心しな!」
恵奈が言う「ガツンと言っといた」は、結構怖い説教だから、それを聞くと、少し苦笑いをしてしまった。
すると遠くにいたさっきの女子達が私のそばへやって来た。
「高槻さ~ん。さっきは本当にごめんねぇ~。」
あたかも気持ちの篭ってないような謝罪をする女子達。
自分悪くない感がバレバレだよ。
「ちょっと!あんた達ちゃんと謝って・・・「あのさ。」
恵奈が怒ってる言葉を賢人君が遮った。
「俺の彼女にまで手ぇ出すの、やめてくんない?」
凄く怒った顔で声もいつもより少し低い声で言った。
「や、やだぁ~。そんなつもりじゃ・・・「次今宵に何かしたら、これだけじゃ済まされないから。」
焦ってる女子達は冷や汗をかきながら、後ずさった。
「に、二度としないよぉ~。」
「い、行こ!」
そして女子達は走って、体育館から出て行った。
「やるねぇ、安曇君!」
「別に。ムカついたから、言ってやっただけ。」
どうしよ、まだ胸がドキドキしてる。
「今宵。」
「は、ひゃい!」
しまったぁ~。声裏がってしまった。
賢人君はクスッと笑うと、話を続けた。