【完】恋の授業を始めます。


体育館に戻ると、恵奈が急ぎ足で私のところへ駆け寄って来た。


「今宵!大丈夫!?」


「うん、大丈夫。ごめんね、心配かけて。」


そう言うと、恵奈はホッと胸を撫で下ろして、ニッコリ笑った。


「良かったぁぁ~。あ、あの女子達には私からガツンと言っといたから安心しな!」


恵奈が言う「ガツンと言っといた」は、結構怖い説教だから、それを聞くと、少し苦笑いをしてしまった。


すると遠くにいたさっきの女子達が私のそばへやって来た。


「高槻さ~ん。さっきは本当にごめんねぇ~。」


あたかも気持ちの篭ってないような謝罪をする女子達。


自分悪くない感がバレバレだよ。


「ちょっと!あんた達ちゃんと謝って・・・「あのさ。」


恵奈が怒ってる言葉を賢人君が遮った。


「俺の彼女にまで手ぇ出すの、やめてくんない?」


凄く怒った顔で声もいつもより少し低い声で言った。


「や、やだぁ~。そんなつもりじゃ・・・「次今宵に何かしたら、これだけじゃ済まされないから。」


焦ってる女子達は冷や汗をかきながら、後ずさった。


「に、二度としないよぉ~。」


「い、行こ!」


そして女子達は走って、体育館から出て行った。


「やるねぇ、安曇君!」


「別に。ムカついたから、言ってやっただけ。」


どうしよ、まだ胸がドキドキしてる。


「今宵。」


「は、ひゃい!」


しまったぁ~。声裏がってしまった。


賢人君はクスッと笑うと、話を続けた。





< 233 / 284 >

この作品をシェア

pagetop