【完】恋の授業を始めます。
違くわないけど・・・
「違わない・・・です。」
「じゃあ、今のうちに予約しとかなきゃな?」
そう言うと、賢人君は私のてをとり、左手の中指にチュッと口づけをした。
「な、ななななな、何してんの!?」
こんな大通りで、人も通ってるのに・・・!
「何って、予約?」
左手の中指に予約って、まさか・・・!
そう考えると一気に顔が熱くなった。
「ばか・・・。」
「まぁ実際ばかなんだけどね。」
私をこんなにドキドキさせて、ほんと馬鹿だ。
「行こっか。」
賢人君はそう言って私の手をとり、帰路を歩いた。
歩いてると、肩にポツッと何かが落ちたのを感じた。
ん?今何か降ってきた?
するとそこで大雨がザァーっと降ってきた。
どうしよ、今日傘持って来てないのに・・・
「急に降ってきたな。今宵傘持ってる?」
「ううん。」
賢人君も、きっと傘持って来てないんだろうな。
「そっか。じゃあ俺の家ここから近いから、俺の家寄りな。」
え!?
「い、いいよ!そんなの!」
「いいから。今宵に風邪ひかれたらやだし、俺の家来て、温まりな。」
すごい真剣な顔で私を見る賢人君。
私は恥ずかしがりながらも、コクリと頷いた。
「よし、決まり。ちょっと走ろっか。」
そして走りながら、賢人君の家へ向かった。