【完】恋の授業を始めます。
賢人君の家に着いた時には、かなり濡れていた。
賢人君の家、大きいなぁ。
男の人のお家に入るのって初めてだから、何か緊張するな。
賢人君が扉を開けると、綺麗な人が玄関に来た。
「賢人!どうしたの?かなりずぶ濡れじゃない!」
もしかして、お母さんかな?
「歩いてたら丁度降ってきた。」
「そちらの方は?」
そう言ってお母さんが私の方をチラッと見た。
「あぁ、高槻今宵さん。俺の彼女。」
彼女・・・。
そう言われると、少し顔が赤くなる。
「まぁ。そうだったのね!母の叶絵(かなえ)です。よろしくね。」
そう言ってニコリと笑った賢人君のお母さん。
笑い顔が賢人君に似てる。
「は、はい!賢人さんとお付き合いさせて頂いております、高槻今宵です!よろしくお願いします!」
「フフッ、そんな堅苦しい挨拶は良いのよ。上がって。今宵ちゃんは先にお風呂でも入って頂戴。賢人は風邪ひかないように、服着替えてらっしゃい。」
「へーい。」
「すみません。失礼します。」
私は靴を脱いで並べ、お風呂場へ向かった。
「着替えここに置いておくから、体ちゃんと温めてね。」
「はい、ありがとうございます。」
お母さんはそう言うと、扉をしめた。私は服を脱いでお風呂に入った。