【完】恋の授業を始めます。
賢人君がリビングから出ると、お母さんが私に手招きをした。
「今宵ちゃん、ちょっとこっち来て。」
「はい。」
お母さんがニヤニヤしながら持っていたのは、アルバムらしきもの。
「賢人がお風呂に行ってる間に、今宵ちゃんに賢人のアルバム見せてあげる。」
え!?アルバム!?
それはちょっと、気になるかも。
私はソファに座り、お母さんの説明を聞きながら、アルバムを眺めた。
「これが小さい頃の賢人よ。」
うわぁ、可愛いぃぃ。
「あの子ドジでねぇ、遊んでる時はよく転んだりして。」
「ハハッ。そうだったんですか。」
パラパラと捲ると、中学生の頃の賢人君の写真を見つけた。
「朔夜君とは小学校の頃から一緒でね、賢人の良き親友だったのよ。」
そういえば、朔夜君が「付き合い長いから」って言ってたな。
ある一枚の写真には、賢人君と花音さんが写ってる写真があった。
それを見ると少し、胸が痛んだ。
するとお母さんが、気まずそうな顔をしながら、説明をした。
「賢人、この子が大好きだったの。でもその人別れて以来、賢人少し変わっちゃって、私にも反抗するようになって・・・」
「そう、だったんですか。」
するとお母さんがフワリと柔らかい笑顔で話を続けた。
「でも賢人に今宵ちゃんっていう新しい彼女が出来てから、賢人大分変わったのよ。」
「え?」