【完】恋の授業を始めます。
「今宵ちゃんの話する時、目がキラキラしてて、凄く楽しそうで、私が「キスとかしたの?」ってからかったら、顔真っ赤にして。」
そんなの、初めて知った。
何か、嬉しくなるな。
「今宵ちゃんの御家族って、どんな人?」
「え?」
怖くなりながらも、ゆっくりと質問に答えた。
「父と暮らしてます。母は私が小さい頃に病気で他界して。」
「ごめんなさい、辛いことを思い出させるようなこと。」
お母さんのその言葉に、私は急いで撤回をした
「いえ!そんな平気ですよ!」
そこで少し沈黙が続いてしまった。
すると、お母さんが優しい声で話しかけてきた。
「今宵ちゃん。」
お母さんはにっこり笑って、私に話した。
「賢人のこと、よろしくね。大事にしてあげてね。」
私もニコリと笑って答えた。
「はい。」
するとドライヤーの音が聞こえて、お母さんは急いでアルバムを隠した。
リビングのドアがガチャっと開くと服に着替えた賢人君が入ってきた。
「何?二人してソファーでくっ付いて。」
「何でもないわよー。」
「ふぅん。今宵、飯食ってく?」
え!?そんなの申し訳ないよ!
「あら、いいじゃない。今宵ちゃん、ご飯食べていって。」
「そんな、申し訳ないです。」
「そんなことないわよ。賢人の作るご飯、美味しいのよ。」
え!?賢人君ご飯作るの!?
「どうせなら、食ってけば?」
賢人はそう言うとエプロンをつけ、キッチンに立った。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
「フフッ、良かった。」