【完】恋の授業を始めます。

制服も乾いたし帰る準備をすると、お母さんがやって来た。


「あら、帰るの?」


「はい。あまり長居するのも悪いので。」


「でも、台風来てるわよ。」


え・・・・・・?


「電車も運転を見合わせてるって、ニュースで言ってたし。」


そんな・・・・・・。


「折角だし、泊まっていけば?」


「え!?」


と、泊まる!?そんなの申し訳ないし、賢人君と一緒なんて、心臓もたない!


「そんな、悪いですよ。」


「平気よ。外は風も強いし、ここでじっとしてた方が身の為よ。」


うっ。正論を言われると何も言い返せない。


私はお言葉に甘えて、賢人君の家に泊まることを決めた。


「今宵、今日泊まるの?」


玄関に来た賢人君がそう言った。


「えぇ。」


「・・・そっか。」


なんか、耳赤くなってない?


「じゃあ私、父に連絡入れてきますね。」



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