【完】恋の授業を始めます。
「あぁ、こいつ俺の弟の、聖人。中二なんだ。」
確かに少し賢人君に似てる。
「えっと、賢人君とお付き合いさせて頂いております、高槻今宵です。」
「へぇ、兄貴の彼女か。聖人っていいます!
よろしくお願いします、今宵さん。」
「馴れ馴れしく名前で呼ぶな。」
少しイライラしながら、賢人はそう言った。
「なに?兄貴、ヤキモチ?可愛いぃ。」
「五月蝿い。早く部屋から出ろよ。」
そう言ってニヤニヤ笑いながら部屋を出ようとする聖人君。
「はぁい。じゃあ、ごゆっくり。」
ガチャっと扉が閉まると、賢人君は深く溜息をついた。
「ごめんな、俺の弟いつもあんな感じだから。」
「ううん。可愛い弟さんだね。」
そう思って笑うと、賢人君がキスをして来た。
「え!?ちょっ!!」
「キスしたいって言ったのは今宵だろ?邪魔者はいなくなったし、ゆっくりイチャイチャ出来るな。」
弟君を邪魔者って・・・。
でももうちょっと賢人君と、イチャイチャしたいな。
私は目を瞑って、賢人君とキスをした。
「もぅ、馬鹿!」
「ん。馬鹿だけど?」
すると賢人のおでこが私のおでこにコツンと当たった。
そしてお互いに笑い合った。
「キス、好き?」
私はその質問に、コクリと頷く。
「俺のことは?」
「好き。」
そう言うと、賢人はニヤニヤしながら言った。
「それだけ?」
「・・・大好き。」
そして賢人はニャっと笑って言った。
「よく出来ました。」
絶対私を馬鹿にしてるだろ。
それがちょっとムカって来て、賢人の唇にキスをした。
「どう?よく出来たでしょ?」
目を見開いて見つめる賢人君。
「何それ。」
あれ?やり過ぎたかな?
「可愛いすぎ。」