【完】恋の授業を始めます。
朝になり、目を開けると、眩しい太陽の光が部屋に入っていた。
ゆっくり体を起こすと、賢人君と目が合った。
まだベッドから出ない賢人君は優しく笑って呟いた。
「おはよう、今宵。」
眠たそうな声に、少し胸が高鳴る。
「おはよう、賢人君。」
そう答えて、下の階へ向かった。
「おはよう、今宵ちゃん。」
お母さんが朝食を作ってくれていた。
洋食とか久しぶりだな。
美味しい朝ごはんを食べ学校に行く準備をし、玄関へ向かった。
「一日もお世話になってすみません。」
「いいのよ。いつでも来てね。待ってるわ。」
「はい。」
そう言うと、お母さんはニヤニヤと笑って話を続けた。
「次に今宵ちゃんが来るのは婚約を申し込む時かしらね。」
私と賢人君も一気に顔が赤くなる。
「母さん、からかうなよ!」
「フフッ、ごめんなさい。じゃあ、行ってらっしゃい!」
賢人君が「行ってきます」と言うと、私もお母さんにお辞儀をして、賢人君の家を後にした。
「変なこと言ったな、うちの親。悪いな。」
「ううん。大丈夫。」
ちょっとびっくりしたけど。
「でも母さんが言ってたことは、あながち間違ってないしな。」
「え?」
賢人君は私の顔を見て優しく微笑んだ。
「だってこれからもずっと、今宵と一緒にいるんだから。」
賢人君・・・。
「うん。私もこれからもずっと、賢人君と一緒にいたい。」
笑ってそう言うと、賢人君は顔を赤くしながら、話を続けた。
「そっか。良かった。」
その後も楽しく喋りながら、学校へ向かった。