【完】恋の授業を始めます。
そしてついに、別れの時が来た。
クラスの生徒や朔夜君、恵奈、私で空港で賢人君を見送った。
飛行機に乗る前、賢人君が私たちのところへ寄ってきた。
「ありがとみんな、見送りに来てくれて。」
賢人君は笑ってたけど、私には、涙を堪えてるのだと思った。
「げんど~~~ほんどうに、いっちまうんだなぁ~。」
朔夜君は既に号泣していた。
「泣くなって、朔夜。ちゃんと連絡すっから。」
「賢人ー、俺たちのことも忘れんなよー!」
「絶対だぞー!」
クラスの男子も、賢人君にメッセージを送る。
「ほら、今宵も!」
恵那はそう言って、私の背中尾をトンと押した。
賢人君と、自然と目が合った。
な、何て言おう?
「今宵、ありがとう。」
私から話をしようと思ったら、賢人君が先に話を始めた。
「最初は、ちょっと怖かった。また昔みたいに、裏切られんじゃねぇかって。」
何も言えないまま、俯くことしかできなかった。
「けど、違った。お前は俺に、大事なことを教えてくれた。」
私はその言葉で、顔を上に上げた。
「人を愛する大切さ。守りたいって思う心。好きな人が傍にいてくれる温かさ。誰にも渡したくないって思うちょっとした嫉妬の心。全部お前が俺に教えてくれた。」
賢人君はポケットに手を入れると、私の首にあるものをかけた。
「これ・・・」
賢人君がくれたのは、三日月の形をしたネックレス。
そして賢人君はパーカーのチャックを開け、首にかけてるものをだした。
「ん。おそろい。」
賢人君が持ってたのは、私と同じ形をしたネックレスだった。