【完】恋の授業を始めます。
二人で楽しく喋っていると、急に携帯から着信音が鳴った。
「あ、ごめん。電話だ。一回出るね。」
「じゃぁ、私もそろそろ帰るわ。大学戻んなきゃだし。」
そう言うと、恵奈も帰る準備を始めた。
「じゃぁまたね、今宵!」
「うん、また一緒にお茶しよ。」
「うん!それじゃ!」
そして私達は別れ、私は電話の人と喋った。
「はい。あ、村山さん。すみません、今戻ります。」
あ、村山さんっていうのは、私の秘書の方で、クールで律儀な男性の人なんだ。
『お父様が心配していらっしゃいます。早く職場に戻って来てください。』
お父さんにまで心配させるなんて、社長失格だな、私。
私は急いで会社へ戻ると、メールの着信音が鳴った。
恵奈かな?それとも会社の人から?
だが届いたのは、私が考えてたのとどれも違う人だった。
そこには、安曇賢人の文字があった。
え!賢人君!?
私が最後に送った〈今度いつ帰ってこれる?〉の返信に、〈明日。〉という返信が帰ってきていた。
明日!?明日って、卒業式じゃん!!
卒業式が終わったら、帰ってくるってことかな?
でも久しぶりに賢人君に会えるんだ。
どうしいよう、すごく楽しみ。
私は走って、会社へ戻り、仕事を一気に片付けた。