【完】恋の授業を始めます。


【今宵side】


いよいよ今日は、大学の卒業式。そして、賢人君に会える日。


冬となり、東京では雪が降っていた。


「今宵、いよいよだな。」


家でお父さんが、優しい笑顔でそう言った。


「うん。」


すると、携帯からメールの着信音が鳴った。


メールを開くと、賢人君からメールが来ていた。


「どうした?嬉しそうな顔して?」


「え!?ううん、何でもないじゃあ、行ってきます!」


「あぁ、行ってらっしゃい。」


久しぶりに聞く「行ってらっしゃい」の言葉に、少し嬉しくなる。


私は家を出て、大学に向かった。


さっきのメールの内容は、〈卒業式が終わったら、駅前広場のクリスマスツリーがあるとこで待ってて。〉という内容だった。


あそこの広場は、毎年ツリーが飾られてるからなぁ。


お父さんにも「今日は帰りが遅くなるって言っといたから大丈夫だけど・・・


賢人君、無事に東京まで来れるかなぁ。


北海道って、今の時期は大雪がすごいし・・・


もし事故に巻き込まれたら・・・






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