【完】恋の授業を始めます。


そうワクワクしながら、賢人君が来るのを待った。



待ってるうちにどんどん時間は経ち、広場にいた人はどんどんどこかへ行ってしまった。


そして一時間が経つと、広場にいる人は、私だけとなってしまった。


全然来ないじゃん、バカ。


待っててって、言ってたのに。


私の頬に、涙が伝う。


そんな時、ある言葉に、私は耳を疑った。


それは、駅近くのビルのテレビから流れたニュースだった。


《速報です。つい一時間前、北海道から離陸した飛行機が事故に遭いました。》


・・・え?


北海道・・・って。


急に体が震え始め冷や汗が流れた。


賢人君が?嘘でしょ?


頭の中で、賢人君の顔が思い浮かぶ。


「やだよ。」


涙がどんどん溢れて来る。


「賢人君・・・」


小さく賢人君の名前を呼ぶ。


そして次は、少し大きな声で。賢人君の名前を呼んだ。


「賢人君・・・!」


その声と同時に、後ろから誰かに、優しく抱き締められた。








< 278 / 284 >

この作品をシェア

pagetop