【完】恋の授業を始めます。
そうワクワクしながら、賢人君が来るのを待った。
待ってるうちにどんどん時間は経ち、広場にいた人はどんどんどこかへ行ってしまった。
そして一時間が経つと、広場にいる人は、私だけとなってしまった。
全然来ないじゃん、バカ。
待っててって、言ってたのに。
私の頬に、涙が伝う。
そんな時、ある言葉に、私は耳を疑った。
それは、駅近くのビルのテレビから流れたニュースだった。
《速報です。つい一時間前、北海道から離陸した飛行機が事故に遭いました。》
・・・え?
北海道・・・って。
急に体が震え始め冷や汗が流れた。
賢人君が?嘘でしょ?
頭の中で、賢人君の顔が思い浮かぶ。
「やだよ。」
涙がどんどん溢れて来る。
「賢人君・・・」
小さく賢人君の名前を呼ぶ。
そして次は、少し大きな声で。賢人君の名前を呼んだ。
「賢人君・・・!」
その声と同時に、後ろから誰かに、優しく抱き締められた。