【完】恋の授業を始めます。
そしてお父さんが家を出た後、賢人が玄関に来た。
「ふぅ、間に合った。」
「会社、間に合うの?」
大学を卒業した賢人は、東京の子会社で働いている。
スーツも似合ちゃって、ほんとかっこいんだから。
「大丈夫、全然間に合うって。」
「じゃぁ、行ってくるな。」
行ってらっしゃいって言おうとしたら、急に唇を塞がれた。
「ちょ!朝っぱらから何して・・・「こんなのいつものことだろ。」
まぁ、いつもそうだけど、全然慣れないんだよぉ!
「大丈夫だって。結菜には手で目隠ししといたから。」
そういう問題じゃないの!
すると賢人は、私の耳元で甘く囁いた。
「今日も、大好きだよ。」
「~~~っ!!いいから、早く行きなよ!」
賢人はクスッと笑って、扉を開けた。
「じゃあな、今宵、結菜。」
そして扉を閉め、賢人は家を出た
「う~~!」
家が静かになると、結菜が急に泣き出した。
「どうしたの?ミルク?おしっこ?」
結菜を抱かかえたまま、リビングに向かった。
そして居間に入り、仏壇の前に座った。
仏壇を鳴らし、手を合わせる。
「私もね、新しい家族が出来たよ。」
賢人と結菜。
お父さんとも楽しく暮らせて、本当に幸せ。
「これからも私たちのこと、見守っててね。」
そう言って、今から出て、結菜にミルクを与える。
これからも私は、大好きな人たちと一緒に、幸せな毎日を送っていく。
いつだって私の傍には、愛する人がいるから。
END