【完】恋の授業を始めます。
「え?ちょっ、高槻さん!」


安曇君から逃げるように、走って玄関に駆け込んだ。


私の頭の中に、一つの言葉が過る。


『あいつの全部知ってあいつを支えられるなら、協力してもいいよ。』


今の私には、それが出来る勇気がない。


人数がすくない廊下に行き、しばらく私はそこで泣いた。


声を出して、涙が止まらなくなるまで泣いた。


私の泣き声が、誰もいない廊下に木霊していた。




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