【完】恋の授業を始めます。
歩いてると、後ろから聞いたことのある声が聞こえた。
「…暁君?」
俺は、ゆっくりと後ろを振り返った。
「高槻…さん…」
びっくりして目を見開いてしまった。
「高槻さん、買い物?」
「うん、コンビニ行ってた。」
ビニール袋を持って、少し俯いていた。
「ごめんね。」「え?」
何でいきなり謝る?何かしたか?俺…
「最近目を合わせなかったから、私暁君に酷いこと言っちゃんたんだと思って……」
「あ……!」
あれは恋じゃないかって気付いて、以来高槻さんの顔見ると合わせづらくなる。
「いや、あれは全然高槻さんのせいじゃないから!」
「え?本当に?」
「うん!全然!誤解だから!」
うわ、俺めっちゃ焦ってる。
かっこ悪ぃ……
「なんだ、良かった。私、避けられてたのかと思った。」
安心したように笑う高槻さんに、俺の心臓は大きな音を立てた。
「高槻さん…」「ん?」
「俺さ、好きかもしんない。」
「………へ?」
「え……………?」
俺、何言ってんの⁉︎だんだん自分の顔が赤くなってく。
「い、今のは…その…」
「ん?」
「………っ。や、や〜いお茶が好きかも。」
「……あ、これ?」
俺は高槻さんが手に持っていたお茶を指差した。
「そう!俺、お茶の中でそれが1番好き!」
「私も。濃くておいしいよね、コレ。」
そう言ってお茶を頬につけて笑うのを見て、また顔が赤くなっていく。
ヤバ。何か………可愛い。