【完】恋の授業を始めます。


歩いてると、後ろから聞いたことのある声が聞こえた。


「…暁君?」
俺は、ゆっくりと後ろを振り返った。


「高槻…さん…」


びっくりして目を見開いてしまった。


「高槻さん、買い物?」


「うん、コンビニ行ってた。」


ビニール袋を持って、少し俯いていた。


「ごめんね。」「え?」


何でいきなり謝る?何かしたか?俺…


「最近目を合わせなかったから、私暁君に酷いこと言っちゃんたんだと思って……」


「あ……!」


あれは恋じゃないかって気付いて、以来高槻さんの顔見ると合わせづらくなる。


「いや、あれは全然高槻さんのせいじゃないから!」


「え?本当に?」


「うん!全然!誤解だから!」


うわ、俺めっちゃ焦ってる。


かっこ悪ぃ……


「なんだ、良かった。私、避けられてたのかと思った。」


安心したように笑う高槻さんに、俺の心臓は大きな音を立てた。


「高槻さん…」「ん?」


「俺さ、好きかもしんない。」


「………へ?」


「え……………?」


俺、何言ってんの⁉︎だんだん自分の顔が赤くなってく。


「い、今のは…その…」


「ん?」


「………っ。や、や〜いお茶が好きかも。」


「……あ、これ?」


俺は高槻さんが手に持っていたお茶を指差した。


「そう!俺、お茶の中でそれが1番好き!」


「私も。濃くておいしいよね、コレ。」


そう言ってお茶を頬につけて笑うのを見て、また顔が赤くなっていく。


ヤバ。何か………可愛い。


























< 95 / 284 >

この作品をシェア

pagetop