烏藍婆那
『二十四』

 おお、良い感じだ。
 女子高生と先生って感じの、丁度いい歳の差っての?

 いや待て、この頃って誕生日なんてあったっけか。
 新年ごとに皆歳取るんだっけ?
 数え年だっけ?

 まぁいいや。
 とにかく良い感じに若い、と。

 ただ一つの障害は、相手が死んでるってことで。
 ……て、全然駄目じゃん。

「死んだら人って、一番いい時期の姿になるの?」

『……何を言っておるのだ。先程お主、死んだら全て忘れると言ったであろう』

「だってあんた、忘れてないっぽいし」

 八郎が黙る。
 もしかして、八郎は何か心残りがあるがために、彷徨ってるクチなのか?

 うぉ、それってヤバい系じゃん。
 ジ○ニャンだよ。

 ああでもジ○ニャン可愛いし、八郎もイケメンだからいっか。
 ……いや良くないかな。

『……お前の思考は面白いな』

 ふ、と八郎が笑う。
 うわ!
 不意打ち!
 イケメンの微笑みって凄い威力!!

『そうか。心残りがあったら、彷徨うことになるのだな』

 つか、やっぱり心読まれてるよ。
 ……まぁいっか。
 ほとんどカタカナだから、多分八郎には理解出来ないだろ。

 ちょっと眉間に皺を寄せて、八郎が私を睨んだ。
 別に馬鹿だと思ったわけではないんだけど。
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