烏藍婆那
8月15日
さて何気に濃ゆいお盆も今日で終わり。
お供えをまとめて、祭壇を片付ける。
「後は送り火を、お墓に持っていくだけだけど」
暑いからもうちょっと日が落ちてからにしようと、相変わらず私はクーラーの効いた部屋でごろごろしている。
『ほんにお前は、だらしのない。昼間っからそんなごろごろするな』
相変わらず仏間には、微妙にエコーのかかった低い声が響く。
それも今日でお終いか。
私はちらりと、視線を動かして八郎を見た。
このイケメン幽霊とも、今日でお別れ。
ああ、八郎が死んでなければな。
そう思った瞬間、ちょっと八郎の口角が上がった。
あ、ちくしょう。
また考え読まれた。
「ちょっと。いくらあっちの世界の住人だからって、勝手に人の頭の中覗かないで。プライバシーの侵害っていうんだよ、それ」
『覗こうと思って覗いておるわけではない。お前が大声で考えるから聞こえるだけだ』
お供えをまとめて、祭壇を片付ける。
「後は送り火を、お墓に持っていくだけだけど」
暑いからもうちょっと日が落ちてからにしようと、相変わらず私はクーラーの効いた部屋でごろごろしている。
『ほんにお前は、だらしのない。昼間っからそんなごろごろするな』
相変わらず仏間には、微妙にエコーのかかった低い声が響く。
それも今日でお終いか。
私はちらりと、視線を動かして八郎を見た。
このイケメン幽霊とも、今日でお別れ。
ああ、八郎が死んでなければな。
そう思った瞬間、ちょっと八郎の口角が上がった。
あ、ちくしょう。
また考え読まれた。
「ちょっと。いくらあっちの世界の住人だからって、勝手に人の頭の中覗かないで。プライバシーの侵害っていうんだよ、それ」
『覗こうと思って覗いておるわけではない。お前が大声で考えるから聞こえるだけだ』