甘い恋の賞味期限
お礼の気持ちとして贈り物をするのだ。他人に選んでもらっていては、感謝の気持ちがちっともこもらない。苦手だが、自分で選ばなければ。
「まぁ、こういう時には役立つネットだ」
史朗はスマホを取り出すと、早速調べだす。
「女性に人気のブランドは……待て。服を贈ると言っても、一式すべて贈るのか?」
「親父……めっちゃ悩んでるな」
こんな父親を見たのは、はじめてだ。
ちょっと面白い。
「靴? いや、サイズが分からない。そうなると、服のサイズも分からない」
目の前に次々と現れる問題に、史朗は悩み出す。残念ながら、見ただけでスリーサイズが分かる、なんて特殊な才能は持ち合わせていないのだ。
「そうだ。制服のサイズを調べれば、自ずと服のサイズも分かる。まずは、服のサイズを調べてからーー」
それと同時進行で、贈る服も選ぼう。女性への贈り物と言うのは、こんなにも越えなければならない難題が多いのか。
(世の男達は、この難題から逃れるために、花を贈るのか?)
それなら理解できる。
だが、花は枯れるのだ。
そんなものを感謝の気持ちとして贈るのは、自分の中の矜持に反する。
「……どれがいいのか、サッパリ分からない」
ネットで調べてみたら、女性に人気のブランドが大量にでてきた。シャネルとかなら聞いたことはあるが、最早初見のブランド名さえある。迷宮入りしそうだ。
「ふぁ……親父、眠くなってきた」
「ん? ……あぁ。俺も寝るよ」
病室の電気を消して、千紘をベッドに寝かせる。
史朗はまだ眠くないが、ソファーに横になろう。眠くはないが、疲れてはいるのだ。
(新しい家政婦を探さないと……)
見つかるまでの間、母親にでも来てもらわないと。
史朗はスマホをテーブルに置くと、瞼を閉じる。眠くないとおもっていたが、瞼を閉じて程なく、規則的な寝息が聞こえ始めた。
「まぁ、こういう時には役立つネットだ」
史朗はスマホを取り出すと、早速調べだす。
「女性に人気のブランドは……待て。服を贈ると言っても、一式すべて贈るのか?」
「親父……めっちゃ悩んでるな」
こんな父親を見たのは、はじめてだ。
ちょっと面白い。
「靴? いや、サイズが分からない。そうなると、服のサイズも分からない」
目の前に次々と現れる問題に、史朗は悩み出す。残念ながら、見ただけでスリーサイズが分かる、なんて特殊な才能は持ち合わせていないのだ。
「そうだ。制服のサイズを調べれば、自ずと服のサイズも分かる。まずは、服のサイズを調べてからーー」
それと同時進行で、贈る服も選ぼう。女性への贈り物と言うのは、こんなにも越えなければならない難題が多いのか。
(世の男達は、この難題から逃れるために、花を贈るのか?)
それなら理解できる。
だが、花は枯れるのだ。
そんなものを感謝の気持ちとして贈るのは、自分の中の矜持に反する。
「……どれがいいのか、サッパリ分からない」
ネットで調べてみたら、女性に人気のブランドが大量にでてきた。シャネルとかなら聞いたことはあるが、最早初見のブランド名さえある。迷宮入りしそうだ。
「ふぁ……親父、眠くなってきた」
「ん? ……あぁ。俺も寝るよ」
病室の電気を消して、千紘をベッドに寝かせる。
史朗はまだ眠くないが、ソファーに横になろう。眠くはないが、疲れてはいるのだ。
(新しい家政婦を探さないと……)
見つかるまでの間、母親にでも来てもらわないと。
史朗はスマホをテーブルに置くと、瞼を閉じる。眠くないとおもっていたが、瞼を閉じて程なく、規則的な寝息が聞こえ始めた。