俺から離れるの禁止。
「真白さぁ~…」
昼休み。
幼なじみの、有村美織(ありむらみおり)が、隣でため息をつく。
いつも昼休みは松田くんもこっちへ来るけど、今日は先生に呼び出しをくらったらしく
「ごめん原野!また後で!」
と言って、教室を出ていった。
「あたしから見ても、真白と松田、かなりイイ感じに見えるよ?」
はぃ?
「なんで?私は広瀬くんと…」
あ。
「広瀬くんも…そう思ってるの?」
「あたしがもし真白の彼氏だったら、確実にそう思う。てかあたし本命じゃないの?とか、不安になる!」
…そうなの!?
広瀬くんもそう思ってるの?
「っていうか、美織、男心わかるんだ?」
「いやいや、これ男女共通だから?」
そう言って、あきれ顔の美織。
「そうなの?」
「あんたどこまで鈍感なの」
美織につっこまれた。
すると突然
「原野!」
後ろから、だ、抱きつかれた…?
「…!?」
ガタンッ
椅子から転げ落ちそうになる私。
「ははっ!原野ごめんて。怒った?」
広瀬くんの事考えてたのに、松田くんっていつも。
「え?ホントに怒ってんの?」
ほら、こうやって。
私の頭の中に入り込もうとしているような。